◆回路図説明
●AC-DCアダプタ
センタータップ全波整流回路という方式です。
トランスのくるくるを書くのを忘れています。DC-もGNDの誤りです。
このトランスはマイナス電流を取り出すことも可能で、ファミコン内部にプッシュプル回路などを組むこともできます。
電源平滑用コンデンサの容量は2200μF以上必要です。
この値では少し足りないような気がしますがやたら大きな容量にすれば良いというわけでもありません。
容量の小さなパスコンを付加しても効果的だと思います。
熱を持つ部分なので酸化金属抵抗やセラミックコンデンサのような耐熱性の素材を選びましょう。
●交換部品説明
「抵抗(22kΩ)」
「コンデンサ(16V 2200μF)」
●レギュレータ
Vcc(+5V)の安定化電源回路です。
入力段にあるのは平滑用コンデンサです。基本的にアダプタと同じものを利用します。
IC201が3端子レギュレータ(M5236L)です。
1が入力、2がグラウンド、3が出力です。
バイアス側に流れる電圧はトランジスタ(Q203)とレギュレータに分圧されレギュレータ側で調節されています。
スイッチが入るとバイアスがオンになる仕組みになっており、スイッチへの配線は紫が出力、白が入力になっています。
バリオーム(図に不備あり)を右振りに0.786kΩで調節すればVccを5.0Vに調節できます。
この値はアダプタの入力電圧によって変化しますのでアダプタの仕様によっては調整が必要です。
C202は発振防止のパスコンだと思うのですが容量は102K(0.001μF)が使われています。
念のためにレギュレータの出力から入力へダイオード(保護回路)を付加すると良いと思います。
●交換部品説明
「R209(15kΩ)」
「R210(3.9kΩ)」
「R211(1kΩ)」バリオーム、要調整
「R212(12kΩ)」
「R213(220Ω)」★耐電力の高い抵抗を使用します
「C201(16v 2200μF)」★DC電源平滑用パスコン、容量を増やすこともできる
「C202(0.001μF)」パスコン、レギュレータの安定化の為に必要
●ビデオ回路(ビデオアンプ)
FPUの21pinから出力されたビデオ信号をラインレベルに調節する回路です。
出力信号は直接増幅されず一種の差動増幅のような方式で新たに信号を発生させることで品質を高めています。
ですからトランジスタ(Q103)にはより正確な動作が要求されます。
トランジスタ(Q202)まわりは増幅部分です。
C203(470μF)は平滑用コンデンサですので特別高級な部品は必要ありません。
C206(220μF)はR205(68k)と共に出力インピーダンスを設定しています。
画質に関わる重要な部品ですので素材を吟味して選びましょう。
R204(82k)も直接信号が通るので良いものを選びたいです。
●交換部品説明
「R101(2.2kΩ)」★信号の精度に関わるので高品質な素材を
「R102(220Ω)」★信号の精度に関わるので高品質な素材を
「R127(48Ω)」非常に負荷の少ない抵抗です
「R204(82kΩ)」★★減衰用、これには特に高級な素材を
「R205(68kΩ)」
「C203(6.3v 470μF)」★Vcc電源平滑用パスコン、かなり重要
「C206(6.3v 220μF)」★★LPF、ビデオ出力インピーダンス整合用
「D201」たぶん保護回路だと思う
●オーディオ合成回路
CPUの1pinと2pinから出力されたオーディオ信号を調整、合成する回路です。
二つの信号の合成比は4つの抵抗できめられており、この比を守らないと正しいバランスで音声が出力されません。
また回路図には記されていませんがマイク音声もここで合成されています。
C113(1μF)は直流成分をカットするためのコンデンサです。
品質に関わる部品ですので素材を吟味して選びましょう。
R112(100k)も直接信号が通るので良いものを選びたいです。
ここで信号はVccで増幅され、カートリッジの45pinを経由して拡張音と合成され46pinから出力されます。
ツインファミコンがディスク動作している場合はこの信号がR108を経てディスク音と合成されます。
ここでは詳しく書かれておりませんがC101(50V 1μF)C102(50V 1μF)R105(56k)R108(56k)は音質に関わる部品なので良いものを選びましょう。
この時点ではまだラインレベルに調節されていない(直流信号をそのまま含む)のでそのままオーディオ出力にすることはできません。
●交換部品説明
「R112(100kΩ)」★減衰用、直接信号が通る抵抗です
「C115(1GΩ)」抵抗の浮遊容量を利用して高周波ノイズを軽減しています
「R123(100Ω)」
「R124(100Ω)」
「R125(22kΩ)」★減衰用、直接信号が通る抵抗です
「R126(12kΩ)」★減衰用、直接信号が通る抵抗です
「C113(50v 1μF)」★CPU音合成後の直流成分カット用
●補足部品説明(ディスクまわり)
「R103(2.2MΩ)」
「R104(1.2MΩ)」
「R105(56kΩ)」★減衰用、直接信号が通る抵抗です
「R107(100kΩ)」
「R108(56kΩ)」★減衰用、直接信号が通る抵抗です
「C101(50v 1μF)」ディスク音の入力インピーダンス整合用
「C102(50v 1μF)」ディスク音とCPU音の合成後のインピーダンス整合用
●オーディオプリアンプ
本体基盤から出力された信号を増幅、ラインレベルに調節する回路です。
増幅にはエミッタフォロワという方式を用いています。
C210(1μF)はR221(82k)と共に入力インピーダンスを設定しています。
増幅された時の直流信号はここでカットされます。
C204(10μF)はR220(3.3k)と共に出力インピーダンスを設定しています。
またエミッタフォロワで増幅された信号の直流成分もここでカットします。
この時点ではじめてラインレベルに調節された信号が取りだせます。
C205(0.022μF)はR201(8.2k)共にローパスフィルタを形成しています。
増幅された時に発生した高帯域ノイズをここで除去しています。
これを若干容量の少ないコンデンサと交換することで高音域のバランスを調整できます。
初期状態では比較的大きく設定されており223K(0.022μF)ですが耳障りの良い音にしたければ221F(220pF)程度を選びましょう。
●交換部品説明
「R201(8.2kΩ)」★★ハイパス用、これには特に高級な部品を
「R202(2.2kΩ)」
「R220(3.3kΩ)」C204と共にローパスフィルタを形成
「R221(82kΩ)」C210と共にローパスフィルタを形成
「R222(68kΩ)」
「C204(16v 10μF)」★★HPF、オーディオ出力インピーダンス整合用
「C205(0.022μF)」★★LPF、容量によって高音域の範囲が決まる
「C210(50v 1μF)」★★HPF、オーディオ入力インピーダンス整合用
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◆素材説明
●「抵抗」
抵抗の交換はただちに音質をかえる程影響はありませんが、ノイズの発生源になるなど微妙に影響します。
抵抗は使われている機能から大きくわけて2種類あります。
一つは分圧のために用いられているもの、もうひとつは信号の減衰のために用いられているものです。
分圧のために使われている抵抗は直接音質に関わるものではないので高級な部品を使うことはありません。
直接減衰に関わる抵抗に関してはできるだけ品質の高い部品を使います。
ファミコンに使われている抵抗は「カーボン」のもので品質は決してよくありません。
直接信号が通過する部分には高純度のタンタル抵抗(誤差±0.5%)を用いました。
他の部分も出力に関わる部分では金属皮膜抵抗(誤差±1%)を使用しています。
ACアダプタなど高温になりそうな部分には酸化金属皮膜抵抗(誤差±5%)を推奨。
コスト的にはカーボンで\4、金属皮膜で\15、酸金で\50、タンタルでは\150くらいです。
抵抗が\150というのは部品一つの値段としては非常に高価です。ファミコン程度の音域でここまでする必要はないと思います。
●「コンデンサ」
ここは妥協するとすべての回路に影響が出てしまうので徹底的に物資を投入しなければなりません。
とはいえ音響用のコンデンサは高級な部品になる程コストも恐ろしく高いのである程度妥協が必要だと思います。
レイアウトの関係で電源部分とビデオ用のフィルタの一部に通常のコンデンサを用いています。
たいした手間ではありませんのでこの際すべてのコンデンサを新しいものにかえておくと良いと思います。
素材による差よりも経年劣化の方が品質の低下は顕著です。
全て音響用アルミニウム電解コンデンサを用いています。
ローパスフィルタ(C205)にはマイカコンデンサ101J(100pF)を使用。
付けてる意味がないような容量ですが高音域のピーク感がなくなりPPと比べてもよりクリアになります。
音質的には電解アルミは低音のボリュームが増し、タンタルだと高音にバランスが移り独特の金属的な高音(カンカンした音)が得られます。
この音がファミコンの音源と相性が良くできればタンタルを使いたいのですが、
タンタルは壊れやすく(一瞬のミスで破壊される)容量が小さい(0.1〜100μF)ので用途は限られます。
一般にセラミック<マイカ<ポリエチレン<ポリプロピレン(PP)の順で高精度。
電解では酸化アルミニウム皮膜より酸化タンタル皮膜のほうか高精度といわれています。
コスト的には(無極性)セラミックで\20、マイカ\250(100pF)、ポリエチレン\30、ポリプロピレンだと\150くらい(参考価格は0.01μF)。
電解(有極性)では一般アルミで\30、音響用アルミ\50、タンタルだと\35くらいです(参考価格は50V 1μF)。
ただし電解は容量で価格も跳ね上がり一般アルミで\130、音響用アルミだと\750くらいです(参考価格は16V 2200μF)。
本体部品のコンデンサには容量は直接表示されていませんが、最初の2桁が数値を下1桁が桁数(10のn乗pF)を示しています。
また最後のアルファベットは誤差(F〜Nで表されFほど高純度)を示しています。
例:223K=22000pF=0.022μF(1000p=0.001μ)、純度は並(少なくとも音響用には向かない)。
●「トランジスタ」
トランジスタはそのアンプの特性を決定付ける非常に重要な意味を持っています。
これを交換すると音の傾向が180%かわってしまうことさえあります。
まずはトランジスタ以外の部品を交換して、その音に不満があるのでしたら交換することにしましょう。
ツインファミコンに搭載されているオーディオ増幅用のトランジスタは「C1815」もしくは「C1740」です。
これらはファミコンの基準となる音を持っています。
もし交換するのでしたら目安として次のことに注意して下さい。
●「2SCもしくは2SDという規格であること」2SAや2SBは使えません
●「低周波向きであること」オーディオ信号は低周波帯域です
●「低ノイズであること」質の良い石だという参考までに
●「信号増幅用であること」入力信号が十分大きいのでパワートランジスタは必要ありません。
CQ出版社のトランジスタ規格表をみて「LF LN A」と書かれたトランジスタが良いと思います。
トランジスタに関しては他の部品程高価ではないかわりに入手しづらくなっていることがありますが、
欲しいものが見つからなくても妥協せずに探しましょう。
トランジスタ選びはアンプを買う時のように慎重に。
トランジスタはオーディオ増幅用(Q201)をC2240と交換。
本当は音質に定評のあるC1775またはC2546を使いたかったのですが入手できなかったため、応急的な部品を使っています。
トランジスタは1個\30程度なのでそれほど大きな投資ではありません。
むしろ音の傾向を決める部品なので妥協したくないところでもあります。
ビデオ増幅用(Q103) をA970と交換。
色の傾向としては原色ほど鮮やかな発色になり、色のテーブルもより原色に近付いた気がします。
ただし当家のファミコンはNTSC-RGB変換することを前提としており最適化されているので通常のTVに出力するとざらついた映像になります。
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◆回路の使い方
主な用途はファミコンの完全なAV化およびツインファミコンの出力強化、ACアダプタの自作・流用です。
ツインファミコンの強化の場合は回路図はそのままですので品番を頼りに良い素材と交換するだけです。
回路図を参考により複雑な増幅回路を組み込むことも可能です。
なおこの回路はラインレベルの出力信号であり、ヘッドフォンでモニタしたりスピーカーをドライブすることはできません。
そのためには信号をパワーアンプを増幅する必要があります。
すでに信号は整っておりますので、汎用のキットなどを御利用ください(もちろん自作してもかまいません)。
ファミコンのAV化の場合はビデオ回路なら1つオーディオ回路なら2つの回路を基盤に作り上げる必要があります。
若干の手間はかかりますがそれ程おおきな基盤にはなりませんので上手に設計して配置して下さい。
Vcc電源はファミコンのをそのまま使うことができます。
またアダプタの改造は危険を伴います(場合によっては火災が生じる恐れがある)ので十分注意して行って下さい。
ここに書かれている資料を参考にしても分かる通り、ラインレベルの信号にするにはかなりの部品が必要です。
そのまま信号を出力したりすると出力先の機器を破壊する危険性があるので御注意ください。
最後にこの回路はツインファミコンの出力基盤を参考に作られていますのでそのまま商用にすると罪になります。
とりあえずこれだけは念頭に置いて下さい。利用はあくまで個人の範囲で。
また部品を交換すると修理のサポートが受けられなくなりますのでそのあたりもお忘れなく。
ではいままで体験したことのないファミコンライフを楽しんで下さい。
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◆疑問・質問
ちょっと恥ずかしい自作自演型の解説です。
●回路の意味が全く分かりません。
それだと改良は難しいです。ニューファミコンを使うのがベターでしょう。
●この回路は動きますか?
大丈夫です。多少簡略化されている部分がありますが単独の回路であれば間違いなく動きます。
●この回路はファミコンに適用できますか?
基本的に同じCPUを搭載しているので適用できます。
●ワンチップICを使った方が効率が良くありませんか?
たしかに一番簡単なのはアンプ機能を持ったICを使うことです。
ですがそれでは回路に応用が利きませんし音質面ではバラで組む方が圧倒的に有利です。
この記事の目的は「出力のAV化」ではなく「出力を強化すること」です。
●ニューファミコンにも適用できますか?
もちろん可能ですがあまり意味がありません。
●部品はどこで手に入りますか。
基本的に電子パーツショップで手に入ります。
通信販売を行っているショップもあります。
わたくしは北海道在住なので「梅沢無線」さんをよく利用しています。
●ぶっちゃけ効果はありますか?
全然違います。音質面では曇りガラスを磨いたかような劇的な変化があります。
画質面では画像がくっきりとして色のノリが強くなります。
たいした変化がもたらされないなら今時記事にする内容でもないですし。
●コストはどのくらいかかりますか?
選ぶ部品にもよりますが、最低限変化がある改良には\1000くらい必要です。
わたくしのように徹底的にやるなら\4000くらいかかるかもしれません。
たかがファミコンにそこまでやるかといえばそれまでの話です。
●「ブーン」というノイズが消えません。
詳しいことは調査中ですが、このノイズの原因を解く鍵はC115という抵抗にある様です。
c115には1GΩ(実測不可)という極めて絶縁に近い抵抗が用いられています。
なぜコンデンサーを用いるべき場所に抵抗があるのか考えてみましたが、
これは抵抗の持つ「浮遊容量」を利用しているものだと思います。
この抵抗を外すと「むー」というノイズ音がかなり軽減されるのですが、
一部のソフトで画像にノイズがあらわれる場合があります。
これはおそらく高周波ノイズで、c115はそれを取り除くためのパスコンの役割をしているのでしょう。
容量のごく少ないコンデンサ(石英やマイカ等)は非常に高価でとてもファミコンに付けるような部品ではありません。
あの耳障りなノイズはそのあたりの妥協が生み出したものなのかもしれません。
●模擬器とどちらがいいですか?
得手不得手がありますが、どちらかといえば模擬器の方が優秀です。
まず模擬器にはノイズがほとんどありませんので音質はクリアです。
音色も完璧にエミュレートすれば実機は模擬器に到底かないません。
ただ模擬器の出力はパソコンですので実機には見られない高周波ノイズが発生します。
音の品質でいえばライン出力の段階ではパソコンより改良機の方が優れています。
画質に関しては実機の方が優秀です。
模擬器のカラーパレットは既製の実機を理想としていますので、当然改良機のパレットの方が綺麗です。
無論改良機のパレットをエミュレートすればすぐに追い付かれます。
また画像の処理能力はCPUのスピードに依存しますので、
最高品位でエミュレートすれば実機は模擬器には絶対にかないません。
簡単な話、優秀な模擬器のパフォーマンスはあらゆる面で実機を凌駕します。
ですが発色は改良機の方が良いですし、出力段階では改良機の方が音の品位は高いです。
あのノイズさえなければ。
●他にも改良の余地はありますか?
まだいろいろあります。ですがここに書いた以上に効果的な改良はないと思います。
その他解らないこと疑問に思ったことなど質問がありましたら当家の掲示板までお寄せください。
当家はわりと寂しいところなのでどんどん書いてかまいません。
ちなみに当家のTOPページには下の"SIGRAGI"から飛ぶことができます。
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