MemoryManagementControllerに関すること


大容量のメモリを管理する目的で搭載されているコントローラICを「MMC」と呼んでいます。 純正は任天堂ですがコナミ、ナムコ、サンソフト、アイレム、バンダイ、タイトーなどが独自のコントローラを開発し搭載しています。 ここでは任天堂純正のMMC、コナミのVRC、ナムコのNamco106について触れていきます。 サンソフトのコントローラに関しては別の記事「基盤から見るサンソフトROMの歴史」をご覧ください。 詳しい機能については文献がありませんので通説として扱われているものに従っています。 この記事の目的はその通説に関して生じた疑問や新たな発見について基盤から得られた情報を元に言及することです。●は確認済みの基盤を表し画像を閲覧できます。○は未確認の基盤で通説に基づいて記述されています。それから当家ではメモリの容量をバイトに換算しています。ビット換算する場合には8を掛けて計算して下さい(8kB=64kb,16kB=128kb,32kB=256kb,64kB=512kb,128kB=1Mb,256kB=2Mb,512kB=4Mb,1024kB=8Mb)。例えば1Mビットのメモリの容量は128kバイトということになります。基本的な補足ですけど一応そういうことで。
02年09月05日更新


●MMC1A

任天堂が開発した初代MMCです。多くのサードパーティーのソフト(SL-ROMなど)に搭載されています。 実はこの基盤、意外なことに任天堂のソフトに搭載されるのはDr.MARIOまで後の事になります。 その頃任天堂はディスクシステムへの移行を推奨しており、 ROMを生産しなかったので活用意義がなかった為だと思います。 MMC1系の主な機能は「P-ROMやC-ROM/RAMのアドレス管理」及び「バッテリーバックアップ用RAM」です。 なおMMCが搭載されている基盤に関しては同じ種類のチップであればマッパーは同一です。


○MMC1B

MMC1Aの改良版です。ロックマン2(SG-ROMなど)に搭載されていると予想されます。 主にC-RAM(SRAM)を搭載した基盤に使われています。機能に大きな違いはありません。


●MMC1B2

MMC1系チップの最終版です。ドラゴンクエスト4(SU-ROMなど)に搭載されています。 基板はP-ROM(1024k)、主にR-ROMのキャッシュのように使われているWRAM、CHR用のSRAMで構成されています。 機能としてはROMのアドレス管理とWRAMのサポートがメインです。 MMC1系ではデータをキャッシュする機能は主ではありませんでした。


●MMC2?(#9)

任天堂のソフトに初めて搭載された拡張チップです。 マイクタイソンパンチアウト(PN-ROM)に搭載されています(ゴールドカセットは未確認)。 詳しい機能はわかっていませんが回路から想定するにVRAMのような使われ方をしているようです。 MMCという刻印はありませんしMMCという位置付けも正しいのか疑問に感じます。


●MMC3A

任天堂がMMC1に次いで開発されたメモリ管理に重点を置いた本来のMMCです。 マリオ3など多くのソフト(TS-ROMなど)に搭載されています。 MMC3の主な機能は「P-ROMの管理」で、8kbのVRAM(SRAM)も内蔵されています。 おそらく256kb程度のメモリ管理ができるものと思われます。 まだIRQは利用できません。


●MMC3B

MMC3Aの改良版です。バトルフォーミュラなど多くのソフト(TL-ROMなど)に搭載されています。 詳しい仕様などはわかっていませんがMMC3Aのマイナーチェンジのような気がします。


○MMC3C

MMC3Aの改良版です。ロックマン4・6、ファイナルファンタジー3(TG-ROM)などに搭載されています。 資料から判断するにこちらは512kb程度のメモリ管理ができるものと思われます。 大容量のC-RAM(SRAM)を搭載した基盤に使われている特殊なチップです。


●MMC4(#10)

MMC3Aとほぼ同時期に開発されたグラフィック機能に重点を置いたMMCです。 ファミコンウォーズやファイアーエムブレム(FJ-ROM)に搭載されています。 演算機能を内蔵した非常に高速なアクセスが可能なWRAMをマネージメントする目的で搭載されています。 バッテリーバックアップ用のRAMとしても使われているようです。 まだIRQは利用できません。 間違いなくシミュレーション用の基板ですね。 余談ですがこのバックアップ用のRAMはよく消えることで有名です。


●MMC5

任天堂がMMC3に次いで開発したチップです。 ジャストブリード、宇宙警備隊、メタルスレイダーグローリー、光栄のソフト(EL-ROMなど)に搭載されています。 足の数が100本もあるLSIで、大容量のメモリ管理が可能です。 MMC5の主な機能は「P-ROMやC-ROMの管理」及び 「極小さなサイズのRAM(キャッシュ)」としても使えます。 IRQラインも利用できることが確認されています。 MMC5には標準で音源を拡張する機能があります。 コントローラに取り込まれた波形データをもとに内部でサウンドが作られ、 それを基盤上で合成しています。


○MMC6B

MMC系チップの最終版で国内のソフトには搭載されておりません。 STAR TROPICS(HK-ROM)というソフトに使われています。


○VRC(#75)

がんばれゴエモン・からくり道中に搭載されています。 P-ROM、C-ROM、VRC、LS32の4つのチップで構成されています。 機能的には一部のアドレス管理(A12,A13,A14など)をしているだけです。 そういえばコナミで初めて搭載されるメガロムでしたでしょうか。


●VRC II(#23)

月風魔伝などに搭載されています。 プログラム用の領域を管理することに重点が置かれたコントローラです。 音源の拡張はありません。


●VRC IIB(#23)

ワイワイワールドなどに搭載されています。 VRC2の改良版でしょう。


●VRC3(UN-ROM)

沙羅曼蛇に搭載されています。 比較的小さなチップで基盤がUN-ROM相当だということから推測すると単なるカウンタICである可能性も。 沙羅曼蛇の基盤には4枚のチップが搭載されており、 左上がP-ROMで右側の2つはSRAMです。 となるとやはりVRC3はカウンタICではないですか? まず刻印がこれだけ数字だというのがうさん臭い。 スケルトンROMなのでチップは分解しなくても確認できます。


○VRC IV-1B(#22)

資料によりますとツインビー3に搭載されているようです。 これもVRC2の改良版(VRC4の試作)だと思います(調査中です)。


○VRC IV-2A(#21)

資料によりますとワイワイワールド2に搭載されているようです。 これもVRC2の改良版(VRC4の試作)だと思います(調査中です)。


●VRC IV(#25)

グラディウス2やクライシスフォースなどに搭載されており、非常に複雑な構造をした美しい基盤です。 回路から想定するにVRC IVは一種のPPUのような機能をしているようです。 IRQも利用できるものと考えて間違いないでしょう。 音源こそ搭載されておりませんがグラフィック機能に関しては特筆に値するチップです。 シューティングゲームに多く見られます。


○VRC V

どうやらこのチップは表舞台に登場していないようですね。


●VRC VI(#24)

悪魔城伝説(256k/128k)に搭載されています。 多機能なコントローラでメモリ管理はもちろんのこと音源の拡張も可能です。 またC-ROMの仕様が異なりSCC-Iというチップを搭載しています。 このコントローラでもサウンドは内部で作られ、合成は外部で行われています。


●VRC VI-v(#26)

魍魎戦記MADARA(256k/256k)、エスパードリーム2に搭載されています。 VRC VI(1105-0039)は悪魔城伝説に搭載されているチップと同一のものです。 こちらにはSCCは搭載されていません。


●VRC VII(#85)

ラグランジュポイントに搭載されています。 機能はVRC-VIとほぼ同等ですが、こちらはFM音源仕様です。 サウンドはコントローラの内部で行われるため、 搭載した音源に応じてコントローラをカスタマイズする必要があるのだと思います。


●Namco1xx系

ナムコのコントローラはその多くがMMC3相当のマッパーを持つために あまり多くを語られることはありませんでした。 しかしMMC3相当と言いましても実は最低3種類のコントローラが存在します。
ナムコのソフトに初めてコントローラが搭載されたのはスーパーチャイニーズ(32k/16k)でした。 この時搭載されているのは109(MMC3)というコントローラです。 このチップはプログラム用のデータ領域に直接アクセスできるようになっていて、機能的にはMMC3と似ています。 のちにゲートとアクセスする機能を備えた119(MMC3/クインティなどに搭載)が登場するまで このコントローラがナムコの主流となります。
あと初期のもので比較的レアなチップとして108(MMC1/スカイキッドに搭載)というものも存在します。 これは基盤の構成は109を搭載したものと同等ですが、H/Vの属性が逆になっており機能的にはMMC1相当の様です。 またドラゴンバスター(#95)に搭載されている118ではH/V属性をコントローラ側で指定できるようになっています。 未確認ですがドラゴンスピリット(#88)にも118が搭載されているらしく、おそらくそのあたりの仕様が異なるものと考えられます。 もう一度確認しますが108(MMC1)、109(MMC3)、118(#88,#95)に関しては同一の基盤を使っています。
その後ナムコのコントローラの主流は106系(#19)へと移って行きます。 この106系も実は最低2種類のコントローラが存在します。 当家で確認できているのは画像でご覧になれる163(#19)というコントローラです。 ちなみに106系が最初に搭載されたのはローリングサンダー(128k/256k)だったとおもいます。 106、163双方とも音源の拡張が可能で合成も内部で行われている様です。 現在確認できているのは妖怪道中記(163)で音源はSEとして使われています。 106の詳しい仕様は現在のところまだわかっていません。
ナムコのソフトは量産体制に入るのが早く、多くの場合チップを目測できません。 興味のある方は買う前にソフトをちょっとだけ手で開いて、チップの足が見えるもの(初期型)を選ぶと良いでしょう。


参考文献

●POCKETNES -THE OFFICIAL SITE-(Mapper関連)
●The Technical Archive(MMC関連)


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